インキュベイトファンドを
代表する投資家赤浦徹氏が
HOSTYに出資を決めた理由

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改めてオープンしたmizukaホテルを見て、細かいところの工夫の仕方が上手ですよね。かっこいいなぁ。この「無人型ホテル」のビジネスモデル、うまくいくと思いますよ。2号店、3号店とオープンさせながら、ビジネスモデル含めてこれから進化して行く段階ですよね。

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まだまだ改善したいことはあります。やってみて気づいたことが思った以上にありました。

「無人のホテル」という新しい市場

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「ホテル王」って言うでしょ。ホテルを経営していたら、王様になれる(笑)。よほど儲かるマーケットなのかな、と以前から思っていた。確かにホテルというビジネスは、軌道修正を重ねながら、古来から長く続いてきた。この業界・マーケットの革新には可能性があるんじゃないかと思ったんだよね。従来からある産業の中で、市場も大きいところに新しくイノベーションを起こしていく。そんなチャレンジもあり得るんじゃないかというのを思い始めているときに、アパホテルの成長を目の当たりにしたんです。テレビ CM をバンバン打ち始めて、急加速して、売上高経常利益率が30%を超えているんですよね。普通に、ネットベンチャーでも経常利益率で30%を超える会社ってそうそうなかなかない。

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実際、このmizukaの1号店にあたるmizuka Imaizumiをオープンしてみると、数字で結果が現れ始めたので、市場として間違っていなかったことを確信しつつあります。正直、民泊代行をやっていた頃の感覚とは全然違います、数字の規模が。民泊ではなかなか成功モデルの再現性が出しづらいというのも正直ありました。コンパクトホテルのモデルであれば、再現性が出せるという感覚があります。だからあともうちょっとで、種ができるのかなと。

競合と比べても、民泊出身ならではのオペレーションの強みがある。原価を圧倒的に下げられるから、規模の経済が効きやすい。室数に対するオペレーション費の少なさで、差別化できる。

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HOSTYのモデルがうまくいく理由は本当にシンプル。普通のホテルはいろんなサービスとかがあって、たくさん働いてる人がいるけれど、それが無駄だったのかもしれない。だって、HOSTYのmizukaは全く無人で何のサービスもやってないのに、稼働率は90%を超えている。それで異常に利益が出る。こっちでいいじゃん!と。

あと、機動力ですよね。

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そこは明らかに強みですね。スピードが違う。2ヶ月でオープンさせられる、というところまで整って来ました。

 
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現在の課題はどんなことがあるんですか?

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課題はふたつあります。「新しさ」という強みが、同時に課題にもなっているということなんですけども。例えば、コスト削減のポイントである、共有フロント型であるということ。わかりやすいオペレーションでITリテラシーがない方でも困惑しない状態になっている、とはまだ言えないと思います。じゃらんやBooking.comなどのサイトで予約をされる方は、普通のホテルだと思ってmizukaに来てくださる。一般的なホテルには受付があるのが当たり前だから、予約さえ取れれば大丈夫だと思われていらっしゃるんですよね。事前に鍵の受け渡しなどについて情報は案内しているのですが、注意して見ずにお越しになることが多い。なので、ホテルだと思って来てくださる方が、何も迷子にならずに、気持ちよく入って、気持ちよく帰っていくためのオペレーションの工夫は、もっと考えたいと思っています。

もうひとつの課題はオーナーさんへのご案内についてですね。過去になかった概念の商品だから、物件オーナーさんへの伝え方は工夫が必要です。例えば、「テナントビルの1室の中にホテルを入れる」っていう感覚が今のところまだない。そういう考え方をオーナーさんに理解して頂けないといけないと思っています。

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ないものだからいいんだよね。

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「そんなこと、できるんですか?」というのがよくあるオーナーさんサイドの反応です。そもそもテナントビルとして作っているから、それがホテルになるなんて思っていないんですよね。美容院や、飲食や、事務所として貸し出す用途しかなかったところがホテルになるなんて、考えたことがなかった。でもホテルにした時の方が、正直坪単価はむちゃくちゃ上がって収益性が上がる。その感覚をまだお持ちでないオーナーさんに働きかけないといけないと思っています。

 
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まだまだいろんなやり方の工夫ができますね。無人の小型って言うところの機動性を活かして、都心の便利なところにどんどん作っていけるというところが、一番の特徴だと思います。収益もしっかり出るだろうし、それを元手にまた次の形もどんどんブラッシュアップしていける。

それでゆくゆく、シェラトン・ヒルトンに並びたいね。新しいオペレーターの形を作りに行く。新しいホテルの形を作って、世界最大を目指すつもりで。

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「シェラトン・ヒルトン・Hosty」。無人ホテルというこれまでに存在しなかった領域で、そのくらいのNo.1を狙いに行きたいと思ってます。

投資の基準は「人」

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もちろんビジネスモデルもありますが、僕は実は投資する対象は人で選んでいるところが大きいです。投資することになったら、その経営者とコミュニケーションを取りたい、一緒にいたいほう。だから、会いたくなるような、一緒に話してたら楽しくなるようなと人とやりたい。その基準でいうと、山口さんの第一印象は、とにかく誠実そうで動きが早くて、ガッツがあって…っていう印象でした。いい人そう(笑)。

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いい人そうですか?(笑)ありがとうございます。

 
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儲かりそうかどうかについては、一緒に考えていくことができる。それよりも、一緒にやりたい人か。ガッツがあるか。そして一番は、誠実そうな人。嘘をつかれるのは嫌なので、お互いに真っ直ぐやっていこうと思えるような人を選んで投資します。会社がうまくいき始めたら、横柄になってしまったりする人がたまにいますけど。それはダメですね。

 
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僕の仲間選びの基準も近いかもしれません。脳のスペックというか、「優秀・優秀でない」という基準も確かに重要ですが、それ以上に、覚悟がある人と仕事がしたいです。あと、気持ちいい人が良いですよね。大手企業を辞めてスタートアップに入ることにそもそも覚悟が要りますが、全てをHOSTYに注ぎ込むという覚悟を持って一緒にやれる人。僕らはこれを「オールイン」と呼んでいます。僕自身、かなり仕事が好きで、ワーカホリック的にずっと仕事をしていたいタイプなのですが。

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山口社長は独立心が強いですよね。チームのことも一人で考えているかもしれない。

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そうなんです、僕自身の課題として、甘え下手なんです。なんでも自分でやろうとしてしまうので、結局、僕が見ることの出来る範囲でしか、事業が進んでいかない。事業をスムースに進める上でも、スケールする上でも、もうちょっと周りを巻き込んでいかないと…。「この部分はよろしく」と、任せるようにならないと、と思っています。そのためには、自分の仕事の仕方やマインドを変えることと、強いチームをつくるための仕組み創りをしていかないといけないと思ってます。

その点では、人事出身の織井が入ってくれたことで、チームビルディングの部分は少し任せられるようになりました。それで会社としても全体的に勢いが出てきて、雰囲気がかなり良くなったのを感じています。

 

もともと僕が東京でHOSTYを立ち上げて、最初は事業も会社もうまくいって、人も増えて。だけど、法律の流れが変わったことをきっかけに一気に業績も雰囲気も右肩さがりになった。かなりのメンバーが去ってきつい時期もありました。そんな中でも付いてきてくれたメンバーもいますけど、皆当初のモチベーションをキープするのはなかなか難しい状況だったと思うんですよね。

今、福岡と京都でほぼゼロからチームを作り直すことになって、また元気なチームができてきました。まだ足りない部分は多いですけど、さらにオールインしてくれる人がチームに加わってくれれば、スピードも出てくるだろうし、良いチームができると思っています。それは織井の存在も大きいと思います。

 

(ここで織井さんが会話に参加)

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山口さんと事業について対等に話せるレベルには、僕、まだ全然到達できていないんです。でもこの組織を作るっていう事に関しては、少しは貢献出来ているんじゃないかなと思います。どういうコミュニケーションがチームをうまく動かすか、ということは自分の経験として少しはわかる部分ですし。そこは山口さんと対等にディスカッションができてるとは思うので、そういった意味ではHOSTYっていう会社をちゃんと強くしていくっていうところに関しては、僕なりにできているんじゃないかなと思っています。

 
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織井さんは大きな会社からHOSTYに転職してみてどうですか?

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事業を立ち上げているところから入って、山口さんとここで仕事をして、寝て、起きて、仕事をしてという環境にいると、やっぱりこう…「生きている」っていう感じがすると言うか。精一杯やり切ろうとしているということが自分の中で感じられていて。今まで、前職にいた時にも、「頑張っているつもり」ではいましたけど、やっぱり夜は友達と飲んだりとか。それも必要な息抜きだと思うんですけども、自分の中の全力ではなかったなと。今は、本当に0か100か。仕事か寝るかとか、そんな生活です。それはやっぱりHOSTYという環境だからこそできることだし、山口さんと居るからこそ、僕はそれをしたいと思います。

赤浦さんが、山口さんのことを「いいやつだ。誠実な人だ。」と仰ったじゃないですか。僕もそれをすごく思っています。HOSTYに入る時、どこかで正直、不安もあったんです。でも実際に山口さんと働き始めると、山口さんはすごく男らしい人だし、本当に誠実な方でした。こういう言い方をするのは失礼かもしれませんが、「山口さんを選んでよかったな」って思いました。何をするかよりも、誰とするかが僕は大切なので。

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誰と会えるかって大事だよね。何をするかも大事だけど、誰と一緒に喜びを分かち合うのかっていうこと。苦しみを分かち合うこともそうだけど。あと誰と一緒にいるかっていうことも。結婚に似ている。

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山口さんと一緒に、何年先の社会を見据えて生きるかということをよく考えます。仮に前職に居続けたとして、それなりに成果を出して、出世をして、というのはあくまで想像できたのですけれども、想像ができる未来のある時点でなんかつまらないなっていうのを思ったんですよね。前の会社にそのままいたら僕の知らない自分には恐らくなれないし、見えない世界には踏み出せない。そういう決まりきった人生を生きることが怖かったと言うか、嫌だったんです。まだ見えない所に行きたかった。それだけでHOSTYに転職しました。

今、確実に半年前の自分には想像できないことをしています。価値観とかもすごく変わってきていると思いますし、自分が少し広い人間になれているんじゃないかなという気はしています。

 
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将来起業したい人は、まずはスタートアップで経験してみたらいい

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大手企業にいると、自分が仕事を動かしている感覚だったり、自分が中心でやれている感覚が起きにくいと思うんですよね、なかなか。それに対し、スタートアップは、自分がオールインするからこそ事業がうまくいく、自分が入るからこそ会社が伸びるというのが事実としてある。無人ホテルという新しい業態を立ち上げている段階にジョインしてくれた織井は、まさにその事業の立ち上げというのを経験していますよね。彼も将来的にはぶっちゃけ辞めちゃうかもしれないし、自分で独立するかもしれない。でも、HOSTYのような「ド・ベンチャー」に入った、新事業のゼロからの立ち上げにフルパワーでコミットするという、臨場感のある経験を、骨に刻めているんじゃないかな。本当にゼロからの立ち上げを一緒に経験して、一緒に泥まみれになれているよね。

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ホテルって、リアルな場を作るものじゃないですか。そういうリアルなコミュニティとか、文化を産むことに対して、すごく興味があるんです。ホテルをやっていて、チェックインとかの作業をする時、僕全然英語喋れないんですけど、それでもお客さまの笑顔が見られたりとか。それだけでビジネスとしてだけでなく、人としてとしてもすごく嬉しくて。それって、結構本質的なところですよね。

将来、自分が事業を興すとしても、リアルなコミュニケーションが見える場にいたいです。その時にこの仕事をするかはわからないですけど、この感覚は先につながると思っています。

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シード系のベンチャーに集まっている人たちは、いろんな起業に興味があって、まずは自分でやるよりは、一旦起業している世界に自分の身を投じてみようという人が集まっていますよね。だから、どこどこ出身で役員をやっていたけど、次は自分で始めましたみたいな人が結構いるような気がします。

 
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将来的に起業したい人がHostyに集まればいいんだと思うんですよね。Hostyで現状提供できる一番のものは経験。将来自分で起業するということを目標にしている人がうちに来て、事業を立ち上げる経験っていうのを一緒にして、一緒に泥まみれになってくれればいいんじゃないかと思っています。その結果、その過程でやっぱり一緒にいたいと思ってくれたら、それはそれでラッキーなんですが(笑)。ゼロから始める事業をこれから作ってるいて、それを一緒にやりたい仲間を増やしたいなと思っています。

組織的には今は足りないところだらけなので、一緒にオールインしてくれる人にもっと入って欲しいと思っています。

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私自身もそれこそたくさん経験して、たくさんベンチャー企業を立ち上げてきましたけど、宇宙も、農業も、IT も、HOSTYも僕にとっては何も変わらない。今あるものをイノベーションする、もしくは今ないものを作ろうということをやっているだけ。例えばHOSTYで言えば無人で小型で2ヶ月でオープンできるホテルなんて普通にはないから。今ないものを作ろうとしているのであって、それは農業であっても、宇宙であっても、ITであっても、ありとあらゆる業界でもそう変わらないのではないのかと。そういう「ないものを作る」、もしくは「あるものを変える」っていう経験を、何もないところからチャレンジすることで、じゃあこれもやってみようという風に思えてくるのかも知れないですよね。

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おそらくどんな業種に行っても同じなんだと思いますが、0から1を作る上では、相当な苦労がある。その「土台を作るための泥臭い仕事」があるっていうことを、僕は今学べているんだと思っています。
例えば清掃の仕事なんて、前の会社にいた僕なら、「俺がやる仕事じゃないな」って絶対思っていた。でもこういうことがあって初めて、事業って成り立つんだっていうことを僕は今肌で学んでいます。それは今後自分が新しい会社や事業を興したときに、活きることだと思います。

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成功するベンチャーの経営やチームとそうじゃない所の違いって、結局、「いい人かどうか」がほとんどすべてなんですよ。やっぱりずっと一緒にやっていける仲間同士の信頼感があるチームの方が、会社の成長スピードは速いですよね。

山口社長は知り合って1年半ぐらい経ちますけど、本当にかなり「いいやつ」。その山口さんが突っ走っているときに、同じように突っ走って来てくれる人が増えるといいですね。そうすると、HOSTYはだいぶいいチームになっていきそうです。これからも楽しみです。

 
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インキュベイトファンド General Partner 赤浦 徹氏
ジャフコにて8年半投資部門に在籍し前線での投資育成業務に従事。1999年にベンチャーキャピタル事業を独立開業。 以来13本総額400億円以上のベンチャーキャピタルファンドを立ち上げ、一貫して創業期に特化した投資育成事業を行う。2013年7月より一般社団法人 日本ベンチャーキャピタル協会理事。2015年7月より同協会常務理事。2017年7月より同協会副会長。
(2018年3月時点)